鉢木 3
第2幕の続きです!

僧は「この人は只者ではない・・・」と思いはじめていて・・・
「主人の苗字を教えてください・・・」

「いえ、私は苗字もない物です・・・」

「とても常人には見えません・・・もしもあなたがまた世に出た時の為に
ぜひ名を・・・」

「・・・ならばお教えしましょう・・・これは佐野源左衛門常世の
慣れの果てでございます・・・」

「なぜそのような身分の人がこの様に落ちぶれてしまったんですか!?」

「一族どもに裏切られ 今のような状態に・・・」

「鎌倉へ上り、その沙汰は!?」

「運が尽きてしまったということです・・・最明寺様も出家してしまわれた
・・・しかし この様に落ちぶれては見えても、これにボロでも武具 
錆びたる薙刀 老いぼれた馬も持っています。これはもしも鎌倉に何か
あれば 一番に駆けつける所存にございます!!!」

ここにて常世は心にある武士道の様を見せます。

「飢えに疲れて死ぬよりは、敵と打ち合い死ぬ覚悟にございます!!!」

そして別れ・・・僧は旅立ちます。

「もし鎌倉に来ることあれば尋ねなさい!世に返り咲く気持ち捨てぬ様に」

と言い残し・・・

ワキ・・・そしてシテ ツレが続いて入幕(中入りです)

まだ半分ですが、ここで曲の解説に・・・

この「鉢木」鎌倉幕府 第5代執権・北条時頼にまつわる伝説が元に
なっていると言われています。時頼は質素かつ堅実で宗教心にも厚い人物
で、御家人や民衆に対して善政を敷いた名君であったこと。
おワキがこの北条西明寺時頼氏であります。、康元元年(1256年)
病に倒れ執権職を義兄の長時に譲り、出家し最明寺入道と号した。
職から引退しても、政治は時頼(最明寺)が取り仕切っていたそうである。

ここで、廻国伝説なるものが生まれたらしいのである。皆様よくご存知の
水戸黄門様!みたいに 身分を明かさずに 庶民の声を聞くべく放浪する。

観阿弥または世阿弥の時頼伝説を元にした創作とされていまして、常世は
実在する人物ではないらしいのです。前場の佐野という地名も現在では定まる
所なく、高崎市の上佐野町・下佐野町・佐野窪町にかろうじて名を残すだけで、
烏川の東岸の地に「常世神社」があるといいます。

さて中入り後 お狂言(早打ち)が幕より出でて、鎌倉より東八カ国の大名・小名
に武具を備えて 急ぎ鎌倉へ集結せよとの命を伝えます。

もちろん最明寺さんからのお達しであります。

そして後場へ・・・
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by kakutou-noh-actor | 2010-04-29 15:21 | 演能後に思うこと…と

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